工房の周りにたくさん生えている植物で草木染めをしたらどんな色になるのか調べてみた

調べた…と言っても実際にはまだ染めていません。。。ごめんなさい。

さて、春になって様々な植物が顔を出してきました。元気に伸び伸びと成長しています。

草木染めにはちょっと興味があって、いつかやってみたいと思っていました。スタッフNちゃんもこのブログの中で自宅キッチンでの草木染めを記事にしてくれています。
Instagramを見てみると、こんな植物も染料になるんだ!と驚きばかり。とっても鮮やかな色に染め上がっています。何気なく見ている植物も、実はこんなに綺麗な色を秘めているんだという新たな発見です。

工房の周囲にもいろんな植物が生えています。名前も知らなかった植物が染料になるかもしれないので、ちょっと調べてみました。

今回参考にさせていただいたサイトは「いろどり」さん。
Instagramでもフォローさせていただいていますが、いつも綺麗な写真を投稿されています。

いろどり

草木染を四季折々の身近な植物で楽しんでいます

スイセン

ラッパスイセン

近くの公園に咲いている草花を見てみました。春は水仙が咲いています。ここの公園の水仙は主にラッパスイセン。ラッパスイセンはきれいな黄色に染まるみたいなので、初めてスイセンで染める場合も、予め染め上がりの具合が想像できて安心です。

ラッパスイセン染め – いろどり

草木染を始めて約半年。まだ染めたことの無い物ばかりです。春は染めてみたいものが色々あります。 写真:うちの畑の花壇のラッパ 水仙 黄色のラッパ 水仙 。地植えと鉢植えとあって、鉢植えは門に置いて毎日来られる郵便さんに見てもらっていました。咲いていた花が、先週末にしおれだしたので、花茎で切り落とし水に浸けていました。 写真:水に浸けた花部分 ワイルドカラー …

工房の中庭には白梅の木が1本ありますが、白って染まるのでしょうか。花びらを使うわけではないので、どんな色になるのでしょう。花ではなく枝を煮出して染料を作るので、茶系の色が出るのでしょうか…でも花の中心が赤っぽいので、赤が少し混ざった色になるのでしょうか。

梅染め(ズバイ枝) – いろどり

梅染め。 草木染―四季の自然を染めるに、乾燥させれば4~5年は使える・使用量は生地の重さと同量。 草木染・糸染の基本―浸し染の手法 (新技法シリーズ 130) の草木染十二カ月に、染め材料は新しいほどよい色合いに染まるので樹皮の場合も採取してすぐ染色した方がよい、生の樹皮でないとよい色合いに染まらないものとして梅があり、幹材できれいな色合いを染めるのは冬が良いなどの情報が記してありました。 …

いろどりさんの記事にはズバイとありますが、ズバイって何?と調べたら、もともとは楚(すわえ)といい、真っ直ぐな小枝のことだそうです。

多くの染色家さんもネットで紹介していますが、淡いオレンジや淡いピンクになるようです。媒染によってまた変わってくるので、本当に様々な色が出ますね。

ヒメジョオン

写真は2021年に撮影。
ハルシオンやヒメジョオンは、本当にどこにでも生えてきますね。一つ一つはとっても可愛らしい花なのですが、草取りをする身からすると、残しても仕方がないし、放っておいても増えるだけだし、花瓶に飾っても細い花びらが落ちて掃除が必要だし…と、なんか少し残念な花なのですが、個人的にはとても好きな花です。

そんなヒメジョオン、染めるとどんな色になるのでしょうか。中心が黄色いので、黄色がメインにそまりそうです。

ヒメジョオン染め – いろどり

家の裏の 耕作放棄地。ゴールデンウイーク後にシルバー草刈り隊が草刈りに来るかと思っていたのですが、一向に来ず。ススキや セイタカアワダチソウなどの草が胸のあたりまで大きく成長しています。その 耕作放棄地、春先にハルジオン(春紫苑)は咲いていなかったと思うのだけれど、 ヒメジョオン (姫女苑)が咲き始めたので染めることにしました。 写真: ヒメジョオン (姫女苑) よく見ると可愛い草花です。 ナチュラ ル感、半端ない。草姿が孔雀草に似ています。染色前日に採って、バケツの水に挿しておきました。水上がりは良好です。 ・ ヒメジョオン (全草) 270g(軽く水洗いして、ハサミで小さく切る) ・被染物 50g(絹3枚、晒6枚、刺し子糸(40m)6カセ) ①湯通し:1晩 ②濃染処理:25g(晒3、糸3) 水1L+ディスポン3ml。80℃以上で15分処理後、水洗い。 ③染料液抽出(煮出し) ボウルに不織布袋に入れた ヒメジョオン 270gと水3Lを入れ加熱。沸騰後15分煮出して1番液をとる。同じようにして2番液をとる。 写真:左から1番液、2番液 ④染色1回目(浸し染め):50g とれたての1番液に被染物を入れ、15分浸し染め。 写真:1回目染色中 写真:1回目染色後 ⑤媒染(アルミ、銅、鉄):1組17g(絹1、晒2、糸2) アルミ:湯水1L+ 焼ミョウバン 0.2g(1%) 銅:水1L+自家製銅媒染剤3.5ml(20%) 鉄:水1L+自家製鉄媒染剤1ml(5%) 各媒染液に1組ずつ被染物を入れ15分媒染後、水洗い。 写真:媒染中 写真:媒染後 ⑥染色2回目(浸し染め):1組17g とれたての2番液をボウル3つに均等に分け、媒染剤別に浸し染め、そのまま放置冷却1時間。水洗い、乾燥。 写真:2回目染色中 写真:2回目染色後 ■結果 写真: ヒメジョオン 染め。左からアルミ媒染、銅媒染、鉄媒染 ●刺し子糸 アルミ濃染あり:#253深黄(ふかき:濃い黄色) アルミ濃染なし:#該当なし 銅濃染あり:#239芥子色( からし いろ:茶味の黄色) 銅濃染なし:#254淡黄色(たんこうしょく:薄い黄色) 鉄濃染あり:#373丁子鼠(ちょうじねずみ:茶味の鼠色) 鉄濃染なし:#該当なし 黄色から茶色系に染まりました。 2番液までとりましたが、3番液は色がとれるかどうか微妙な感じです。濃染処理を施していない物は、色が薄いです。濃染処理は必須だと思います。濃染処理を施したアルミと銅媒染は、明るめの濃い黄色が染まりました。水洗い時の色落ちや変色などもありませんでした。絹があまり濃く染まっていないのは、煮染めじゃないからかな?被染物に対して ヒメジョオン を5.4倍使ったので、割合は少なくはないです。ここまで使わなくても、3倍ぐらいでも良いように思います。 ヒメジョオン は今が咲き始めなので、枯れた花はほとんど付いていませんでした。花が枯れだしたら取り除かないといけないような気がするので、咲き始めが染め時なのだと思います。

フランスギク

こちらの写真は2020年撮影。
猫たちも遊ぶ小さなスペース。ここにはフランスギクが毎年咲き誇ります。濃い緑と白い花のコントラストが好きです。猫たちも草の陰にかくれんぼしながらジャンプしたり、自由な時間を過ごしています。

黒い物体はおたぬです

フランスギクの草木染めは調べてもなかなか出てこないのですが、想像するに、ヒメジョオンと同じような感じになるのでしょうか。同じキク科ですし。
淡い黄色に染まりそうな感じはしますが、ちょっと気になります。画像がないので、これはやってみたいですね。

シロツメクサも同じ場所に咲いているので、シロツメクサの染についても見てみました。

シロツメクサで染める : モンコの染織日記

このシロツメクサの絨毯から、450gの葉と茎、花をいただきました。 鍋にいれてグツグツ煮ます。沸騰すると少しずつ色が出てきました。少し長く煮ました。 煮出した後はこんなにクタクタ…。タンポポは草のにおいが強かったけれど、シロツメクサはあまり臭いません。 まず、色見本用にアルミで先媒染した羊毛(チェビオット)を染めます。 染まるのかちょっと不安…。 …

クリーム色〜淡い黄色なんですね。花の部分と、クローバーだけだとまた違う色になりそうです。

草木染めって、媒染や染料の濃さ、染める回数、本当に全て違うのってすごいですよね。納得の行く色になるまで何度も染めるってとても根気のいることです。

地上に出ている茎や花で染めるのと、土の中の根で染めるのはまた違った色になるのかもしれません。

いつも見えている色だけがその植物の色ではないってことですね。
関わるものによって変わるので、良い反応が出るときもあれば、あまりうまくいかないことも。もっと違う色があるかもしれない!と思って関わっていけば、思わぬ新しい色が出てくる。
自分には見せてくれないけど、他の人には見せている色。

とかね。

そんなことを考えながら、花々を眺める春の日でした。

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