デニムの耳というものをご存知ですか?高速織機でデニムを織り上げる際、生地にかかる負荷を和らげ品質を保つために、工程上どうしても発生してしまう生地の捨てシロです。日本だけでも72000km、約地球2周分ものデニムの耳が捨てられている現状です。
「カイハラ株式会社を中心として行った2008年の「デニムの耳プロジェクト」を皮切りに、「廃棄されているデニムの耳を少しでも生きた形で使えないものか」と色々な方とプロジェクトを行ってきました。しかし、商品として扱うには手間・労力・時間がかかり商業ベースに載せられない状態が続いていました。」(2019年当社クラウドファンディングより一部抜粋 https://camp-fire.jp/projects/view/134462)
店頭でもなかなか販売もしていないので、知っている方も少ないと思います。このデニムの耳、さっこらで使っているのは日本を代表するデニムメーカー、カイハラデニムのものを使用しています。
http://www.kaihara-denim.com/
デニムの耳の幅は約1cm。硬さもいろいろありますが、裂き織りにするには丁度いい幅です。工房では3種類のデニムの耳を使っています。
ホワイト、ブラック、ナチュラル(グレー)。そのままの色を活かして裂き織りにしています。
裂き織りにしていく
商品によって織る幅もいろいろです。カメラストラップ5cm幅、コースター用は12cm幅など、全部で4種類の幅で織っています。仕上がりの色もシンプルなので、商品の幅も広がって行きます。
バスマットなどの大きいものを織るときは、工房で一番大きな90cm幅の織り機を使いますが、この幅を織れる職人も少なく、職人を育てていくことも課題です。
デニムの耳はロール状で仕入れますが、織りに使える素材にするまでには、
1.規定の長さに巻き取る。
2.洗濯機で糊落としをする
3.干す(乾燥させる)
4.乾いたデニムの耳を玉にする
の4つの工程があります。手間がかかる作業ですが、大事な作業です。
作業中のスタッフに聞いてみました。この作業の大変なところはありますか?
「巻取りの数を数えるのが、集中しないといけないので大変です。」
「体力も使うし、けっこう大変。でも頑張ってます!」
との声。巻取りの数を数えるには、間違えないように声を出して数えていました。集中力を持続させるのがなかなか難しいスタッフでも、2人1組で力を合わせてやっています。
若いスタッフが頑張っています。
これでやっと織りに使えます。
自社製品の他にも、素材として販売もしています。使いみちがもっと増えるといいな、と思いながらあれこれ試作しています。
デニムの耳、広がれ〜!