整経後、機上げ前のこちらの糸。
淡い青緑の色がとってもかわいいですよね。よく見てみるとツヤっとした光沢があります。
こちらの糸は業者さんから購入したものです。
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こちらの糸は工房で染めたものたちです。
カラフルな糸が並ぶと圧巻ですね。
先ほどの糸と比べると、光沢はありませんが、柔らかそうな質感で温かみがあります。
糸の原料によって質感が変わってくるのはわかりますが、実際糸にはどれだけ種類があって、それぞれどんな特徴があるのか。
工房にあるいろいろな糸を見ていると、気になってきたので、調べてみることにしました。
糸の種類
糸は大きく分けると2種類。スパン糸とフィラメント糸です。
この分け方は原料の繊維の長さによる分け方です。
スパン糸
スパン糸は紡績糸とも言われ、短繊維に撚りをかけることで作る糸です。
撚りを掛けることで繊維同士が絡み合い、引っ張っても繊維が抜けず、糸としての形と強さを保つことができます
また、スパン糸は撚りを強くしたり弱くしたりすることによって、特性や品質を変えることができます。
凹凸があり、光沢が少なく、毛羽立ちがあるのが特徴です。
原料は、ウール、綿、麻、アクリルなどがあります。
ちなみに綿糸の品質は大きく分けて「カード糸」「セミコーマ糸」「コーマ糸」の3種類。
『カード糸』 「カーディング」という工程で、5%程度の余分な短い繊維を取り除きます。
『セミコーマ糸』 「カーディング」で、10%程度の余分な短い繊維を取り除きます。
『コーマ糸』 針で繊維をくしけずる「コーミング」をし、約20%の不良部分を取り除きます。
フィラメント糸
フィラメント糸は長繊維を束ねてから撚りをかけて作る糸です。
スパン糸とは違い、繊維ひとつひとつが長いため、強度が強いのが特徴です。表面は毛羽がなく表面が滑らかで、光沢感があります。
原料にはポリエステル、ナイロン、※シルク、※レーヨンなどがあります。
※正確に言うと、シルクとレーヨンはフィラメント糸とスパン糸、どちらもあります。
シルクでいうと、正絹はフィラメント糸。そのままでは絹糸として使用できない屑繭などは紡績して糸にするためスパン糸です。
レーヨンも同じようにフィラメント糸とスパン糸があります。
冒頭の淡い青緑の糸はポリエステル。工房で染めた糸は綿でした。それぞれの糸の特徴がでていますね。
とはいえ、化学繊維と天然繊維それぞれのメリットを活かすため、繊維を混ぜて糸を作っていることも多く、一概にこの2つに分類できるわけではないようです。
綿糸のように取り除かれる繊維量でも品質が変わってきます。
実際に見て触るのに加え、それぞれの特徴を考慮しながら、糸選びの参考にしたいですね。